【よみもの】沖縄で出会う。“日本”と“職人の一品” | 樂園百貨店

沖縄で出会う。“日本”と“職人の一品”

2017.09.10

GOODS

樂園百貨店に並ぶ、日本の選りすぐりの商品。その一部をセレクトしてくれたのは、「モノづくり」と「日本のスグレモノ」をテーマにブランドを展開している日本百貨店です。

秋葉原と御徒町の間の高架下に構えられた日本百貨店の店舗には、全国各地の美味しいものやユニークな雑貨が並び、ひとつひとつを手に取り吟味する人々の姿が見られます。ワクワクしながら、日本各地の商品を手に取れる。それが、沖縄の地でも実現します。

日本全国をまわり、職人のこだわりの一品をセレクトしている株式会社日本百貨店の代表取締役・鈴木正晴さんに、樂園百貨店での展開にかける想いや商品選びの際に重視していることについてお伺いしました。

樂園百貨店に一点突破型でジョイン

ー今回、樂園百貨店のために商品をセレクトしていただきました。樂園百貨店について聞いたときは、どう思われましたか。

以前、デパートリウボウの催事に出展させていただいたこともあり、糸数会長の熱い想いを聞いていました。その時から、何かご一緒にさせていただけたらいいな、と考えていたんです。それぞれの分野のプロが、それぞれの分野の一点突破型で樂園百貨店を盛り上げることができたら、おもしろくなると思いました。もちろん日本百貨店は、「日本のスグレモノ」分野で一点突破です。

ー沖縄県には海外からの観光客も多いので、日本全国のこだわりの商品は注目されそうですね

沖縄県には台湾など海外からの観光客の方が多いそうなので、樂園百貨店に商品を置くことで、海外の方に日本の良いものを伝えるきっかけになればと期待しています。

つくり手の物語が、商品の魅力を高める

ー先ほど店舗を拝見したのですが、めずらしい商品が多いと感じました

日本百貨店は小さな会社ではありますが、仕入先が全国に1000社以上あるんです。取り扱う商品をセレクトする時はいつも悩みます。味や見た目が良いものは数多くあるので、正直それだけで選ぶのは難しい。だから、僕らは品物の背景にある「人」そして「物語」を重視しているんです。

気になるものがあれば産地まで足を運び、誰がつくっているのか、どうやってつくっているのかを実際に見て、聞いて、確かめます。この人がつくっている品物を売りたい!品物ができあがるまでの過程がおもしろい!と感じたものを仕入れているんです。

ーなるほど。日本百貨店で取り扱っている商品には、それぞれ物語があるのですね。

商品の裏側にある、つくり手の物語を知った時、手に取っている商品がただの商品ではなくなります。物語は、その商品の本当の姿を、きちんと教えてくれるんです。つくり手と実際に会うことは難しくても、商品を介してつくり手と出会うことができる。僕らは、その出会いをお手伝いしたいと思っています。

沖縄の文化にマッチしたもの、そして驚きを与えるもの

ー樂園百貨店には、どのような商品をセレクトするのでしょうか。

手に取っていただいた時に「こんな商品みたことない」という驚きや喜びを与える仕掛けを、樂園百貨店でも続けていきたいと思っています。

一方で、沖縄の文化にマッチしたものを選んで取りいれていくことも大切だと思っています。以前、沖縄で催事をした際に、東京で人気があるニシンの商品を持っていったのですが、沖縄ではニシンを食べる習慣がないのだと現地のお客さんに教えてもらいました。

同じ日本でも、東京とは気候も違うし、文化も違う。東京の文化をそのまま持っていっても、マッチしないこともあるのだと分かりました。それは、海外からくる観光客の方も同じですよね。そのあたりも意識して、セレクトしています。

ー沖縄に住んでいる方も観光に来た方も、思わず手にとりたくなるような商品が並びそうですね。

はい、楽しみにしてほしいです。
あと、これも催事をしたときの気づきなんですが、観光客の方も、沖縄だと私たちに積極的に話しかけてくれることが多いんです。沖縄という風土なのか、普段は店員とあまり喋らない人も、開放的な気持ちになれるのだと思います。

そういった特徴をうまく活かし、商品の物語をお客様に伝えていけたらと考えています。

“つながりをつなげる”きっかけに

ー樂園百貨店に来る方へ、どのようなメッセージを伝えたいですか

僕たちは、「ニッポンのモノヅクリにお金を廻す」。つまり、日本のものづくりが活性化し、職人さんたちに適正な対価が支払われることを目指しています。そのため、日本百貨店の商品を手にとったお客様が、産地を調べて製造元へ足をはこんだり、商品を気にいったら直接メーカーから仕入れたり、という流れができたら嬉しいですね。

以前、こんなことがあったんです。神戸にお住まいのお客様が、購入したお菓子が大変おいしくて気に入ったと。それをつくり手に伝えたいと、お店のある岩手まで行ったそうなんです。その話しを聞いたときは、鳥肌がたちました。

人と人とのつながりはその場で途絶えやすいものですが、日本百貨店の商品が“つながりをつなげる”きっかけになればいいなと思っています。

樂園百貨店でも、国内外から沖縄に観光に来た方が、日本全国のつくり手とつながることができるよう、今後の展開を考えていきたいと思っています。

鈴木 正晴

1975年生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事に入社し、アパレル関連部門を担当。「ニッポンのモノヅクリにお金を廻す」ことを目指し、2006年3月退社、2010年12月、東京・御徒町に「日本百貨店」一号店をオープン。現在東京駅構内など7店舗を展開。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社/2012年)、「ものづくり『おもいやり』マーケティング」(実業之日本社/2017年09月14日発売)