復興に向けて一歩ずつ。2022年10月、首里城のいま
2022.10.28
OKINAWA首里城公園全景の様子(2022年10月撮影)写真提供・沖縄美ら島財団
沖縄の文化や歴史の象徴的存在の「首里城」の火災から、2022年10月31日で3年が経ちます。首里城公園には今でも「早く完成できるように応援しています」など復興を願う声が寄せられ、3年が経過してもなお、県内外から高い関心が集まっていることが分かります。首里城の復興に向けた現在の様子をたどりました。
木材倉庫と原寸場が完成
首里城公園を管理する一般財団法人沖縄美ら島財団事業部首里城事業課の安里成哉さんに話をうかがうと、「今年行われた復興作業において、もっとも大きな変化は、10月に正殿前の御庭に『木材倉庫』と『原寸場』が完成したことです」と教えてくれました。木材倉庫とは、建設に使用する木材を保管したり、加工したりする倉庫のこと。原寸場は原寸大の図面を描く場所です。
首里城公園を管理する一般財団法人沖縄美ら島財団事業部首里城事業課の安里成哉さんに話をうかがうと、「今年行われた復興作業において、もっとも大きな変化は、10月に正殿前の御庭に『木材倉庫』と『原寸場』が完成したことです」と教えてくれました。木材倉庫とは、建設に使用する木材を保管したり、加工したりする倉庫のこと。原寸場は原寸大の図面を描く場所です。
1989年から始まった「平成の復元」では、首里城公園は開園前だったため、正殿が出来上がる様子を見ることはできませんでした。今回の復興においては、正殿が完成するまでの道のりを、県民のみなさん、観光客の方々と一緒に見守りたい、また学びの場としても活用してもらいたいとの想いから、「見せる復興」の取り組みを行うことになったとのこと。天候が悪い日も作業に影響が出ないよう、正殿を保護するための「素屋根」を建設し、見学用のデッキも整備される予定なので、完成していく様を間近で見学できるようになる予定です。
いよいよ本格的な工事がスタート
正殿の完成は2026年予定。復興に向けた本体工事の詳細なスケジュールはまだ公表されていませんが、すでに正殿の柱や梁に使用する大径材が少しずつ運び込まれています。10月11日に近畿・四国地方産のヒノキ107本が初めて搬入されました。ヒノキのほか、オキナワウラジロガシやイヌマキといった県産の木材も大径材として使用されるそうで、今後も複数回に分けて届けられます。
11月3日には、公園内の特設会場で関係者を招いた起工式が計画されています。招待者のみの出席となりますが、伝統芸能が披露されるほか、工事の安全を祈願する「ノミ入れ式」も行われる予定。この起工式を終えると、さまざまな工事が動き出すそう。この日を境に、いよいよ本格的な本体工事がスタートするのです。
首里城復興祭も開催
多くの人が楽しみにしている「首里城祭」は、首里城火災後、正殿が完成するまで「首里城復興祭」と名称が変わりました。今年は10月29日から開催されます。
「今回、特に力を入れているのは、『現代版組踊』創設者の平田大一さんが監修した『琉球芸能公演』です。また、特別な許可をいただき、普段は入れない木材倉庫や原寸場などを案内する特別見学ツアーも企画しています」と安里さん。
期間中には、県が主催する復興イベント「木曳式」も開催されます。「木曳式」とは、琉球王国時代から首里城の造営・修復の際に行われてきた祭事。復元に使用する木材「御材木」を載せた低床トラックが、国頭村から那覇市まで県内各地を回ります。また、最終日の11月3日には、木曳式の関連催事「木遣行列」も開かれ、正殿復元工事の無事を祈り、中山門跡から守礼門へと続く「綾門大道」を、伝統衣装に身に包んだ参加者たちが御材木と一緒に練り歩きます。どちらも「平成の復元」以来、33年ぶりの開催です。
首里城最中で首里城復興を共に盛り上げたい
昨年、首里城復興への願いを込めて発売した樂園百貨店の「首里城最中」は、今年は紅芋とシークヮーサーの新たなラインナップが登場しました。樂園百貨店ではもちろん、首里城公園内のショップでも購入が可能です。首里城復興を待ち望む県内外の友人への贈り物として、また家族で首里城を想うひとときのお茶のお供に。首里城の復興を共に盛り上げるアイテムとしてご活用ください。