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2019.11.16

PEOPLE

感動のおいしさのギリシャ料理はパメラ・アンさんの情熱と挑戦から

読谷村でギリシャ料理のお店『Little GREEK Kitchen®(リトル グリーク キッチン)』を営むアメリカ人のパメラ・アンさん。正統派ギリシャ料理をベースにパメラさんならではのセンスを活かしたメニューは、どれも美意識にあふれていて、おいしい驚きに満ちたものばかり。流暢な日本語での会話も楽しく、オープンでチャーミングな性格も相まって、お店には彼女のファンが多く訪れます。そんなパメラさんにギリシャ料理のこと、チーズ作りへの情熱、これからの夢についてのお話をうかがいました。


愛してやまないギリシャの料理をみんなに食べてもらいたい

― パメラさんが沖縄でギリシャ料理のお店を始めた経緯を教えていただけますか?

私は以前、静岡県に15年住んでいたの。そこではネイリストの仕事をしていて、そのときの職場のボスがギリシャ人。仲が良くてギリシャのことをたくさん教えてもらって、もちろん料理も教わって、その時に初めて私はギリシャ料理を作ったの。ボスと話すうちにギリシャのことをたくさん知って、どんどん好きになったから、その後、ギリシャに移り住んだのよ。

ギリシャは本当に素晴らしい国。食べ物はおいしいし、人はパッションにあふれていて優しい。今でも「また住みたい」ってよく思う(笑)。ギリシャでは出会った人たちからギリシャ料理の作り方を教わったの。それにギリシャで暮らすうちに、「新鮮な素材を使って料理を作り、それをみんなで食べる」ということの大切さを改めて感じて、「食」についてもっと学びたいと思ったから、一度アメリカに戻って大学で栄養学を学んで、それからまたギリシャに戻ったのよ。戻ってからはもっとギリシャ料理を知りたくて、チーズやヨーグルトを作るのにもチャレンジしたわ。
この時に素晴らしいパッションを持ったファーマーにも出会って、オレガノやギリシャワインなどは今でも彼から仕入れているのよ。
本当はそのままギリシャにいるつもりだったけれど経済危機が訪れて、どうしようと考えていたら、沖縄にいる友人が声をかけてくれて、来ることにしたの。

― 沖縄へ来て、最初にお店を構えたのはうるま市の伊計島でしたよね

そうなの。コンテナを使ったレストラン。すべて手作りで、エアコンもなくて、沖縄の暑い夏も台風も2年間はそこで乗り切ったのよ。始めた頃は知り合いも多くないし、お客さんが来なかったら食材をダメにしてしまうかもしれない。だったら食材のロスをできるだけ出さないメニューをその日で考えるスタイルにしたの。
「家でもてなすような料理を楽しんでほしい」というのは今も変わらないポリシー。たくさんのメニューがあるわけではないけれど、少しアレンジしたりデザートを変えたり。伊計島で始めたスタイルは今も同じ。ヨーグルトとチーズもその頃に作り始めたの。

ギリシャ料理に欠かせないチーズ作りへの挑戦

― 気候も素材も違う沖縄でギリシャチーズを作られていますが、どんな苦労がありましたか?

「フェタ」と呼ばれるギリシャのチーズはヤギのミルクを使って作るもの。でも沖縄で作り始めたときは、いいヤギミルクが手に入らなかったから牛乳を使って作った。その自家製チーズをハーブ入りオリーブオイルに漬けたものが「マリネード読谷ティリー」。このチーズができて、メディアで取り上げられると「ヤギミルクがある」と声をかけてくれたヤギ農家の方がいて、話を聞いたらこれが理想のヤギミルクでびっくり!最高のヤギミルクなの。それから何度もチャレンジして、ヤギミルクを使った「リトルグリーク ティリー」が完成したの!ヤギのミルクは臭いが強いと思っている人にもぜひ食べてみてほしい。全然臭みがないから。

でも完成するまでは本当に大変だった。何度も何度もチャレンジしてはたくさん失敗して。チーズ作りに挑戦している時に「沖縄は気候的に作るのは無理だよ」と言われることもよくあったけれど、そう言われるのが私は本当に嫌だった。「なんで沖縄だと無理って考えるの?」っていつも思っていたの。リラックスして「なんでもできる」って考えれば必ずできると思っていたし、分からなかったらたくさん調べて、try & errorを繰り返した。そうしたら、ね?私はちゃんと作れたでしょう?とても嬉しかった。大会で賞をもらったこともとても勉強になった。

― この6月(2019年)にはチーズについて学んでいたギリシャの大学を卒業されましたよね。おめでとうございます

ありがとうございます。大学でチーズ作りを学ぼうと思ったのには、ギリシャから私の作っているチーズやヨーグルトについて何か証明が欲しかったからなの。だから1〜2年前にギリシャでそうした専門の大学があるかを調べて、教授にメールを送って、通うことはできないけれど、オンラインスクールのようなやり方でレクチャーしてもらえるかをお願いしたらOKをもらえて。私がチーズを作っているところを撮影して送って、それに対してオンラインで意見やアドバイスをもらったりした。私が卒業するタイミングでギリシャに行ったら、すでに卒業した同じクラスのみんなも来て一緒に卒業式をしてくれたの。本当に楽しかった。

料理は自分の美学を貫くことから生まれるアート

― パメラさんの料理は「一度食べたらまた食べたい!」とリピーターが多いですが、おいしさの秘密はどこにあるのでしょう?

自分でそれを答えるのは難しい(笑)。どの料理人も言うかもしれないけれど、私は一つひとつに本当に心を込めて作っているの。それに、いいもの(素材)を使いたいという気持ちはとても強い。レストランは私にとってビジネスでもあるけど、ギリシャ料理を守って伝えたいという気持ちもすごく強いの。材料、味、愛情、すべて惜しみなく料理に注ぎたい。だから、もしかしたら採算が合っていないことをしているかもしれないけれど、自分がいいと思わないものはお客さんには絶対に出したくない。

私は自分を料理のアーティストだと思っているの。だからFood StylingやPlating(盛り付け)をとても大切にしているの。料理を提供するときに、美しくないのは嫌。だから、例えばチーズの瓶詰でも一つひとつ見た目を細かくチェックして、もしも内容量が100gだとしても、「何か見た目が寂しい」と思えば量は気にせず必ず何かをプラスする。美しいこと、自分が満足したものを出すことが大切だと思っている。こうした小さなこだわりを一つひとつ守ることが、おいしさにつながっているのかもしれない。

― これから挑戦したいことはありますか?

主に3つあるの。
一つは、ギリシャの大学に実際に行ってチーズについてもっと学びたい。短期間でいいけど、ギリシャで実際に勉強したいの。
二つ目は、ヤギ農場と一緒になった大きなチーズ工場を沖縄に作りたい。
三つ目は、自分のデザインした特別なチーズを作ること。そして、それをヨーロッパで販売したい。今、日本はチーズ作りがとても盛んになっていて日本政府もそれを応援してくれているの。だから私も日本のチーズメーカーの一員として商品をヨーロッパに持っていきたい。

チーズ作りはとても奥が深くて、本当に今まで何回も失敗してきたの。でも、負けない。私はもともと、全然忍耐強くないからこれはすごいこと。これからもこうした失敗に負けずに、忍耐強く続けることが、きっと私にとっての一番のチャレンジね。

*11/28(木)から樂園CAFÉではパメラさんとのコラボメニューが食べられます!
 詳細はNEWS記事をご確認ください。

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