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2018.12.05

PEOPLE

【イラストレーター×バイヤー対談・後編】トートバッグができるまで

リウボウグループ創業70周年記念企画として、京都の老舗、一澤信三郎帆布と樂園百貨店がコラボレーションしたトートバッグが完成しました。バッグに描かれているのは、樂園の風を感じるバナナの葉。樂園百貨店キービジュアルの作者であるイラストレーターのMIREIさんと、バイヤーである大嶺佐紀子さんのお二人に、

前編では、沖縄でのモノづくりについて。後半では、制作にまつわるエピソードを語っていただきました。

沖縄の本質を伝える、樂園百貨店のキービジュアル

―今年7月のリフレッシュオープンから樂園百貨店のキービジュアルとして、MIREIさんのイラストが店内外を彩っています。ちょうどお二人の後ろにある壁面のイラストは、鮮やかなピンクがとても印象的です。

大嶺佐紀子さん ※以下、大嶺

樂園百貨店というブランドを伝えるビジュアルとして、それまではハイビスカスの絵を出していたんですけど、もうちょっと沖縄の本質的な部分を見せることはできないかな、と考えていて。そんななかでMIREIさんとの出会いがありました。
これまでのMIREIさんの作品を見せていただいたときに、沖縄であり沖縄ではない、チャンプルーな雰囲気に魅かれたんです。それに、子どもからお年寄りまで誰が見ても好きになる、心がほっとするような絵だと強く感じて。リフレッシュオープンに合わせて、樂園百貨店オリジナルのイラストをお願いすることにしました。
たしか台風のさなか、制作してくださっていたんですよね。

MIREIさん ※以下、MIREI

そうそう、今年は台風が多かったですよね!外は嵐でしたけど、沖縄の“光”が伝わるような空気感を意識して描いていました。モチーフとなっているのはブーゲンビリアなんですが、あまり説明的にはしたくなかったんです。だから、ブーゲンビリアそのものを具象的に描こうというよりは、言われてみればそれっぽいね〜ぐらいで、ふわっと沖縄の雰囲気を感じてもらえたらいいな、って。
でもこの絵にたどり着くまでに、実はいろんな絵が下に潜んでいるんですよ。

大嶺 何層にもなっているんでしたよね。

MIREI  アクリル画の場合、下絵無しでいきなりキャンバスに色をのせていっちゃうので、描きながらどんどん変わっていくんです。最終的なかたちがはっきりしないまま、乾いたら色をどんどん重ねていって。途中、ちょっと見せられない状態のときもあったりしたんですけど(笑)。
でも、それがあったおかげでより色に深みが出てくるというか。ピンクなんだけど、ちょっとブルーっぽいような…。最終的に、色が際立って仕上がりが見えてくると、もう描いていてウキウキしてきちゃいます!
だから、また同じように描いてと言われたとしても、やっぱり同じものにはならないんです。

大嶺 絵を受け取って最初に見た時は、想像していた以上の色鮮やさとインパクトの強さにびっくりしたのを覚えています。まず目に飛び込んでくる鮮やかなピンク。そして、この絶妙なブルーも空っぽく海っぽくも見えて、それがチャンプルーな雰囲気というか本当に沖縄らしい色合いだなと感じて…。すごく、嬉しかったですね。

MIREI  今回使用したピンクはけっこう挑戦でした。私が普段あまり使わないような、原色に近い蛍光寄りのピンクなので。店舗のオープンに合わせてということだったので、華やかさがあったほうがいいだろうと、金城さん(※)とも相談しつつ、ピンクを強調して最終的にかなり明るく仕上げました。
(※)MIREIさんのだんなさまで、ギャラリーショップ『RENEMIA』オーナーの金城博之さん

大嶺 もう「この絵があれば強い!」と思いました。

―CAFÉの内外装の他、カップスリーブやクリアファイルなど様々なアイテムに展開されていますよね。

MIREI  イラストの面白さって、そこかなって。例えばクリアファイルになったときに、光を透過してみたらまた違った雰囲気に見えて。
キャンバスから違う次元に広がったような感覚が、私もすごく新鮮で楽しいんです。一枚の絵からいろんな表現の広がりが持てるのが、イラストの仕事の好きなところですね。

こだわりをめいっぱい詰め込んだ、コラボトートバッグ

―今回、京都にある一澤信三郎帆布と樂園百貨店のコラボレーションによるトートバッグが発売されましたね。

大嶺 これも完成まで、とても大変でしたよね。

MIREI  ほんと、ここに至るまでいろいろありすぎて…。

大嶺 ですね(笑)
一澤信三郎帆布さんの店舗は京都の東山区というところにあるんですが、そちらまで何度か足を運んでお願いをしまして、ようやく実現することができました。今年リウボウグループが創業70周年を迎えたのと、樂園CAFÉのオープンに合わせて、なにか記念となるような商品をということで、企画しました。一澤信三郎帆布さんの113年にはまだまだ届きませんが、沖縄で唯一の百貨店として地道に歴史を重ねているというところに共感いただけたのが嬉しかったですね。
ただ、どうしても京都の印象が強いので、そのなかで沖縄らしさを出すにはどうしたらいいかと試行錯誤でした。

MIREI  最初にベースとなる色を選ぶところからスタートでしたね。7月の樂園百貨店リフレッシュオープンのときに、店舗の壁面にバナナの葉のイラストをあしらっていたんですが、そのイメージをバッグに取り入れようということになったんです。イラストが映える色はどれだろう、といろいろ検討して、このオリーブ色に決まりました。そこにバナナの葉のイラストをのせていくんですが、入れ方で雰囲気がガラっと変わってくるので、そこもかなり悩みました。

大嶺 最初は“総柄”的に全体に葉っぱが散らばっているような図案もあったんですけど、最終的に“一枚の絵”として見えるようなかたちで落ち着きました。あと、柄を染めていく工程では、原画の線の表現が細かい部分は難しいということで、塗りに変更して。そこでもまた印象が変わってきましたね。

MIREI  あっちがいいか、こっちがいいかと試行錯誤して、細かい所を調整しながら仕上げていったんです。そのかいあって、最終的にできあがりをみたら、どの案よりも沖縄の風土を感じられる気がしたので、良かったなあって。

大嶺 私もそう思います。
このバナナの葉のモチーフには、お店の中で“風”を感じてもらいたいという思いが込められているんです。バナナって沖縄だと、意外にどこにでも生えていて昔から馴染みのある植物ですし、ゆったりとした空気感もあって。あとは昔、バナナの葉っぱはモノを包むのに使われていたので、お店がモノや人を包んでいるという意味も込めています。それで、かばんのモチーフとしてもぴったりだなって。

―緑のベース色に、緑の柄を重ねるのってけっこう斬新だと思いました。

MIREI  これもいろいろなパターンを試して、もっと明るい感じにしようかな、とも思っていたんですけど、普段持つことを考えると落ち着いた色合いのほうがいいんじゃないかということで、この色に落ち着きました。今回のコラボトートは「オリーブ」と「白」のカラー展開だったので、一方は落ち着いた色で、でも柄は大きめに入っている、というデザインに仕上げました。

大嶺 男性にも持ってほしいというところを意識して、ここまで落ち着いた色味にしたというのもあります。これならお仕事でも抵抗なく持てるんじゃないかと。
それからサイズにもかなりこだわっています。両色ともに、大小2つのサイズをつくったのですが、小さいほうは女性がいちばん持ちやすいサイズ感だと思います。

一澤信三郎帆布のかばんは、見た目よりもかなりモノが入るんですよ。小さいほうでもA4サイズが折らずにすっぽり入りますし、内ポケットも大きいので便利。あとスナップボタンは必ずつけよう、とか。あんまり小さいとお弁当入れみたいになっちゃうので、このサイズはかなりこだわりましたね。
大きいほうは女性も男性も持てるサイズということで、大きすぎず小さすぎず絶妙なサイズ感です。これもびっくりするぐらい入るので入れすぎ注意です!

MIREI  すごく使いやすいですよね。生地もしっかりしてますし。

大嶺 いちばん厚手の生地にしてもらいました。
ちなみにオリーブと白でタグが違うんですけど、オリーブには紺地の《信三郎”布包”》、白には《一澤帆布製》のタグがついています。
白いほうは、一澤信三郎帆布さんで「コラボでここまでシンプルなのは無いよ」と言われました(笑)。まずは沖縄の人に一澤信三郎帆布を知ってもらいたいという想いもあって、あえて潔い感じで。

MIREI 私はオリーブの小さいほうを使っているんですけど、すごく使い勝手が良いです。

大嶺 私はオリーブの大きいほうのサイズを使っていますが、仕事道具がめちゃめちゃ入っています。お財布にポーチに携帯電話3台ぐらいと今年の手帳と来年の手帳も…、もうなにもかも(笑)
使い勝手が良いのに丈夫だからこそ、そんなに気を使わずガンガン使えちゃうところがいいですよね。

MIREI  ほんとに!

大嶺 それぞれ使い勝手が良いので、どっちのサイズ、どっちの色にするか、すごく迷っちゃうところですよね。是非みなさまにも、店頭で手にとっておおいに迷っていただきたいです。

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前編は、こちらから。

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