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2018.06.26

OKINAWA

夏本番を前におこなわれる伝統行事、旧暦5月4日の『ユッカヌヒー』

旧暦5月4日は、沖縄では『ユッカヌヒー』と呼ばれる特別な日。
『沖縄版 子どもの日』ともいわれ、子どもたちの健やかな成長を祈願し、かつては、ごちそうを振る舞ったり玩具を買い与えたりする風習がありました。
また、県内外から観光客が訪れ、盛り上がりをみせる一大行事、伝統漁船サバニによる競漕『ハーリー』も、県内各地の漁港や港町でおこなわれます。
きたる夏本番を前に、沖縄が活気づく一日です。

子どもたちの健やかな成長を願う伝統行事

『ユッカヌヒー』とは、日本語に訳すと『よっか(四日)の日』。旧暦5月4日を指すことばとして知られています。(※1)
戦前、沖縄ではこの日になると、子どもたちの健やかな成長を願ってお菓子やごちそうを振る舞い、新しい玩具を買い与えるという風習がありました。いわば、沖縄版こどもの日。那覇などの繁華街には玩具市がずらりと立ち並び、起き上がりこぼしやチンチン馬、琉球張り子などの玩具を、子どもたちは目を輝かせて品定めをしていたそうです。

ものが豊かになった現代ではその風習はすっかり無くなってしまいましたが、ユッカヌヒーをテーマにした県内クリエイターらによるアート展や、各市町村で親子おもちゃ作りワークショップが開催されるなどして、かつてのユッカヌヒーの伝統を今に伝えています。

また、ユッカヌヒーにヒヌカン(火の神)や仏壇にお供えし、子どもたちにも振る舞われるお菓子として代表的なものが、『ちんびん』と『ぽーぽー』です。沖縄版クレープとも呼ばれているとおり、小麦粉を水で溶いたものを薄く焼き、くるくると筒状に巻いた素朴なお菓子です。

ちんびんは生地に黒糖が混ぜ込んでありほんのり茶色く甘いのに対し、ぽーぽーは砂糖を入れずに焼いた白い生地の内側に薄くあんだんすー(豚肉入りの油味噌)を塗って巻き込んであり甘じょっぱい味わい。見た目はとても似ていますが、食べてみると全く違った味わいが楽しめます。
これらは中国から伝わったものと言われており、漢字で書くとちんびんは『巻餅』、ぽーぽーは『炮炮』。元々は、歓待料理や祝賀料理のひとつとして、ハレの日の食卓を彩っていたそうです。

現代でもユッカヌヒーが近くなると、県内のスーパーマーケットや菓子店などに並ぶほか、簡単に作れる専用のミックス粉なども販売されているので、子どもと一緒に手作りを楽しむという家庭も多いようです。
昔は年に一度のハレの日を祝う祭事菓子として、今は沖縄の文化を伝える素朴なお菓子として、ユッカヌヒーには無くてはならない存在となっています。

(※1)2018年は新暦6月17日(日)

梅雨明けを知らせるハーレー鉦(ガネ)の音

もうひとつ、ユッカヌヒーに沖縄県内各地で行われる伝統行事に、伝統漁船サバニによる競漕『ハーリー』があります。一年の豊漁や海の安全を願っておこなわれるもので、その歴史は600年以上とも言われています。
なかでもウミンチュ(漁師)の町として有名な糸満市では、ハーリーではなく『ハーレー』と呼び、毎年盛大に祭事がおこなわれています。この日、市内の公立小中学校が公休日となるのもウミンチュの町ならでは。

豊漁と安全を祈願する勇壮な『御願(ウガン)バーリー』にはじまり、レースの途中でわざと転覆させ、そこから再びサバニに乗り込んでレースを続ける転覆競漕『クンヌカセー』、そして2,150mという長距離を競い合う『アガイスーブ』など様々な競技がおこなわれ、会場となる糸満漁港周辺は毎年熱気に包まれます。

また、翌日の旧暦5月5日は「後生(グソー)バーレー」と呼ばれ、海で亡くなった祖先たちが漁港でハーリーをする日とされています。漁師たちはこの日ばかりは海に出ず陸でゆっくり過ごし、祖先を供養するという風習が現代にもしっかりと受け継がれています。

サバニの漕ぎ手の調子を取るカン、カン、カンという高らかな鉦の音が聴こえてくると梅雨が明ける、という言い伝えどおり、沖縄は梅雨明けを迎えました。今年も、いよいよ夏本番です。

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